2019年3月15日金曜日

園だより 3月号 『子どもの興味と関心を大切に!』

 ご卒園、ご進級を迎えるお子様方、おめでとうござます。大切なお子様のこれからの新しい歩みの上に神様の祝福をお祈りします。



 ところで、幼い子どもが、何でも口に入れる、触ってみる、出してみる、開けてみる、入れてみる、たたいてみる……、幼児期の子どもと過ごしたことのある人なら誰でも目撃する、親にとっては好まない行為です。そして、親は、「それはだめよ!」「あれも駄目です!」「さっき言ったでしょう!」と、子どものすることにすべて禁句を発します。大切なのは、いま子どもが興味を持っていることに、大人は無下に取り上げてしまいます。そしてこどもの興味は半減、いやまったく興味を示さなくなります。このある特定の時期に芽生える特別な興味を大切にすることを提唱したのが、マリア・モンテッソーリ女史で、この時期を「敏感期」と呼んでいます。

 彼女は、1870年生まれのイタリア人女性医師で、専門は、貧しい地域の発達の遅れた障碍児の研究でした。彼女は知能の発達の遅い子ども達を、健全な普通児と同じくらいに学習できるようにしようとの使命に燃え、子ども達を深く観察しつづけ、やがて「モンテッソーリメソッド」と呼ばれる独自の教育方法を編み出し、やがて彼女の教育法は世界的に広まり、21世紀を迎えた現代、そのよさが見直され、多くの教育専門家により再評価されています。

 この「敏感期」は子供にとって極めて大切な時期で、この敏感期を逃すと、その後その能力を獲得するのに、大変な労力を要さなければならなくなると言われています。

 親や教師に一番大切なことは、子どもの活動を背後から見守り必要とされる時に手助けをする、助手のような役割で、無理強いをせず、その子の取り組んでいる課題に常に気を配ってまとめあげていくことでしょう。

 大人はよかれと思って、あるいは、しばしば自分の都合で、子供の興味を取り上げてしまうことがあります。そんなとき、チョッと深呼吸して、もちろんグッと我慢して、大人の目ではなく、子供の今しかない「敏感期」を大切に見守り、育てて行きたいものです。(園長)

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